これからの事とか、よくわかんなくて
あたしは何をしたら良いんだろう?
一体、何をするためにここにいるんだろう?
ただいまのいえる場所
第三話 嘘と決意
次にあたしが目を覚まし、目の前に広がったのは見慣れない天井と、質素だがシンプルでセンスのいい調度品だった。
「一日に2回も気絶するなんてそんなにか弱い乙女じゃないはずなのに・・・」
頬に手を当てながらそっと目を閉じる。考えることがありすぎて頭がパンクしそうだ。
「おー、。目が覚めたか」
慶次は豪快に障子をスパンッと小気味良い音を立ててあたしに半ば、というか完璧に呆れながら声をかけてきた。
それにしても、すべてにおいてやる事が豪快な男だな。
「ご、ご迷惑おかけいたす・・・。えっと、ここは?」
ちょっとだけ頭を下げるとまたぽんぽん、と頭を2,3回なでられた。
高2にもなって頭をなでられて喜ぶわけじゃないけど、大きくて暖かい手には少しだけ安心した。
あれだ、小さい頃にお父さんの手がなんとなく好きだったそんな感じに近い。
「旅籠だが。ああ、そうだ。これはのかい?」
肩に担がれたあたしの防具と、慶次が持つと恐ろしく小さく見える通学鞄を受け取る。
「荷物もあったんだ・・・。あ、慶次ありがとね」
「気にすることじゃねぇさ。それより、それはなんなんだ?」
太くてごつごつした指であたしの飛行機のキーホルダーがくっ付いた防具袋を指差した。
「あ、っと。うーんと・・・これは」
なんて説明すべきだ?
剣道は確か明治以降にできたモノだし、多分慶次にいっても理解できないだろう。
・・・・・ど、どしよう
「おい、。どうした?」
慶次が心配そうにあたしを見る。
はやく、早く適当な説明を・・・・
あ!!
「こ、これは佐々木流派って言う田舎道場の剣術なの!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・あせってたからって
35歳、独身で現在養護の先生にモーレツアタックしてる顧問の名前を流派にするか??
しかも、田舎道場って・・・。ごめんね、佐々木先生。いろいろと
「そいつは聞いたことがないねぇ・・・。で、どうやって使うんだい?」
「えっと、防具をつけるだけであとは普通の剣術となんだ変わらないよ」
本当は相手から一本取るとか説明しなきゃいけなんだろうけど、面倒くさいので省略。
べつに、ここで剣道の相手ができる人もいないだろうから問題ないでしょう・・・多分。
「ほぉー、そうかい。・・・ところではそんな田舎から何をしに来たんだい?」
ワォ、一番答えずらい質問をするなライオンヘッド
うーん。なんて言ったらいいんだろう?剣術を磨くため田舎から出てきたとか。
あ、そうするとこの服装の説明がつかないなぁ。
時代的に未来からきましたとかか??それとも素直にゲームの世界に迷い込んだ現実世界のものですか?
でも、自分がこの状況をよく理解してないんだし、下手な説明はできない。
そうだ。よく考えれば意味が分からないことが起きてるじゃん。
どうしよう、どうすんだよ!!!
「自分でも、わからない・・・・です」
慶次は予想外の台詞に、びっくりしたように顎をしゃくっていた手を止めてあたしの方をじっとみた。
というか、嘘をあれこれ考えてたくせに一番的確な言葉が出た。まあ、一番無難な答え方なのかな
「・・・てぇと、あれか。記憶が無いってことかい?」
・・・・・・!?
ライオン!いい事言った!!!!
「そう!!それ!!あ、自分の名前と小さい頃の記憶は少しあるんだけど
自分の住んでた場所とかが思い出せなくて・・・。帰る所も分からないんだ」
よし!!このまま慶次を泣きおとせ!!!(無理だろ
「そいつは困ったねぇ」
慶次は腕を組むと、考え込むように眉を寄せた。
まあ確かにあたしもいきなりこんなこと言われたら困るよなー。
とかのんきに思ってたら慶次がとんでもないことを言った。
そう、たとえるならお母さんに朝のほのぼのとした雰囲気を打ち壊すように
「あなたとお兄ちゃんは本当の兄弟じゃないの・・・」
とか昼ドラ一本できそうなビックリカミングアウトをかまされたみたいなそんな感じ(どんな感じだ
まあ、なんていったかって言うと
「帰るところが無いんだったら、俺についてくるかい?」
え、そんな。って感じでしょ。
嬉しいんだけど、すっごく優しい言葉なんだけど見知らぬあたしに
こんなに親切にしてくれる慶次を見てるとへたな嘘をついてるのが罪悪感だ。
聞かれて説明も上手く出来そうにないし、仕方ないといえば仕方ないけどさ・・・。
「え?・・・いいの?」
「ああ、いいさ。あんたと居ると退屈しなさそうだからねぇ」
慶次はにっこり笑った。
あたしは悪いことをしてると思いつつも首を縦に振った。
この素敵な誘いを断ったら80%の確立でのたれじぬ。
知らないところでのサバイバル精神なんて兄ちゃんと違ってあたしには無い。
「えっと、慶次。ごめんね・・・お世話になります」
あたしは小さく頭を下げた。
慶次は何でごめんなさいなのか分からないと言った感じだったけど
また豪快に頭をくしゃくしゃと撫でて大きな声で笑った。
あたしは頭を下げたままもう一度、小さく心の中で謝罪した。
いつか、いつか本当のことを話せる日は来るんだろうか。
先のことは真っ暗で見えないけど
とりあえず今だけは、差し出してくれた手をとってもいいよね。
少しだけ休んでよく考えて・・・。
あたしができることしよう。
言い訳
なんかめったくたで、ごめんなさい。
書いてる本人だけは楽しいです。妄想ふくらんで(笑
この後は幸村に会えるかなーって予定です。うむ
いろいろ書きたいのに、まだまだ書かなきゃいけないシーンが!!
くそう!!がんばるぞっっ
あ、感想とかあったら教えてくださると嬉しいです。