大丈夫、大丈夫。

世界はまだ廻っています。

大丈夫、大丈夫。

あたしはまだここに立ってます。







ただいまの言える場所
第二話 松風、慶次。・・・え!?





風がすがすがしい。夏特有の暑い日ざしが木漏れ日となってやわらかな光が注いでいる。

緑の匂いが鼻をくすぐった。同時に生暖かい息が顔にあたっているもんだから



ぶっちゃけ新手の痴漢かと思った。

いやいや、いくらあたしが美少女だからって言っても田んぼに突っ込んで泥だらけの

判断能力欠乏女に顔を近づけるアホはいないだろ!









・・・・泥かぶってても、かぶって無くても美少女には程遠いのは自分がよく分かってます。





おそるおそるまゆを寄せたまま、あたしはそっと瞳を開いた。まだわずかに恐怖がある。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・馬??」

女の子らしい悲鳴を上げる必要は無かった。

あたしの顔の、多分5pも離れていない位置にくりくりの可愛いおっきな目に

灰色の綺麗な毛並みの馬がいた。

ある意味痴漢よりもびっくりしけど・・・。


「おう、嬢ちゃん。目ぇ、覚めたかい?」

がばっと起き上がると可愛い馬は体をさけてくれた。賢いなぁ。

そして、少し大きめな聞こえた方を振り返る。

ていうか、聞いたことあるんきがす、r「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


今、自分の台詞を自分でかき消したよこのアホ!

え!?え、ちょまってよ!!



「はぁ!?」


こ、このライオンヘッドの野郎は・・・・

「お、お世話し隊長!!!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




や、べぇ。と話してるときのあだ名が・・・・・・。

長い長い沈黙が慶次(仮)とあたしの間に生まれた。

松風(仮)も空気を読んだのか大人しく草をむしっている。


「・・・ははは」

「・・・・????」

「あっはっはっはっは!!!!!」

慶次(仮)は突然腹を抱えて、これまた豪華に爆笑した。

そしてあたしの泥まみれの頭を気にせずにぐりぐりと撫で回してきた。

「なに言ってんだかさっぱりだが、面白い嬢ちゃんだねぇ」

「は、はぁ・・・」

「俺は織田家武将、前田慶次。あんたは?」

「あ、は、


・・・このライオンヘッド、今前田慶次っていったよね。

てか、戦国無双2の慶次だよねこのデザイン。




え?冗談?どっきり??

兄ちゃんのコスプレ大会か!!!そうかそういうことだろう!!!!

いやー、兄ちゃんもヲタの気持ちが分かるようになったなー。

いや、でも待てよ。そうするとこの馬鹿でかい馬の説明がつかない・・・・・・


「えっと。慶次、さん」

「慶次でいいぜ」

「あ、じゃあ慶次。この馬の名前は??」

「あ?松風ってんだが気位が高くてねぇ」

慶次は苦笑しながら松風の頭をなでる。

松風も大人しくなでられていて、完璧に慶次に心を開いてるようだった。

ちなみにあたしはというと、そのほのぼの雰囲気にさえついていけずまた頭が真っ白になっていた。

このまま気絶して元の世界に戻ってたらいいなーとか考えながら

なぜか瞳に写ってるのは、現実世界とはなんだ変わらぬ青い空で・・・

遠くに慶次の声をかろうじで捕らえた。










言い訳

えっと。慶次夢じゃないんですよ。

幸村、三成、兼続の義3人組はとりあえず対象予定

いろいろ書きたいシーンがあるのに

たぶんまだまだ。

小田原城防衛戦あたりがおわったら日常風景を

ほのぼのかきたい・・・(当分の目標

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